しにがみ
しにがみ
真紅の髪を揺らして
赤い死神はやってきた
『待ち人は誰ですか』
わたし、ひとり
死神さんと、わたしふたりきり
『待ち人を連れて行こう』
真紅は漆黒となり、冷たいものが、やわらかいひたいに
純真の上に立つ私
『待ち人は、あなた』
瞳を閉じると、何も見えない
暗闇へと、自らをいざなう
浮かんだのは、大好きな人の影
生にしがみつく『わたし』
眉根を寄せ立ちすくむ
自分に対する言い訳をならべる
死神は笑う
『弱い、おまえらは』
『泣ける、だから強い』
大いなる災厄降りかかるとき、人はひとりになる
死者は死神
わたしは、地面へとおりたつ
まっしろ
赤い、気持ちを呼び覚ますあのひとは
こころにてをあてて、思い出だけ
『思い出すのを、許してください』
天へ向け、瞳を捧げる
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